2008年10月13日

52 第15回長良川WWFダウンリバー/三日目(長良川6)

水位:0.26m(稲成)気温:22℃(八幡)天気:晴れ
区間:新三日市橋〜子宝温泉下 メンバー:tomoさん、コニー、会長
応援:会長嫁、後輩一号、川太郎


 長良川WWFもいよいよ最終日。ダウンリバーを残すのみとなりました。最後のトリを飾るダウンリバーは、新三日月橋から子宝温泉までの約8kmという長距離の航下タイムを競う種目です。ポイント配分が高く、最高400点獲得できるため(SP;SLは300点)、一発逆転のチャンスが大きいのが特色です。

 このダウンリバーの明暗を分ける要素とは、いかにトップスピードを維持できるかということに尽きると思います。
 そのために要求される力とは、徐々に削られてもペースを落とさずに漕ぎ続けられる持久力。ここでいう持久力とはマラソンのような心肺能力ではなく、両腕の筋持久力を指します。
 そして、エディーに食われたり、スタックすることなく、常にメインカレントを維持できる川の流れを読む力。以上の二点だと考えます。

 前者は正直、不安要素です。スプリントですでに予兆が出ていましたので。とくに今日のような渇水では瀞場が多く、この持久力を求められる比率が高い。しかしながら後者は強みだと思っています。過去何十回と下り、しかも前日に下見を済ませ、航下コースはインプット済みです。

 日頃川下りをメインで楽しんでいる私にとって、ダウンリバーは三種目中、最も勝ちたいという気持ちの強い種目です。
 しかし目の前にはあの美並カヌークラブが巨大な壁として立ちはだかっています。
 果たして勝てるのか?

 結論から言えば勝てる、と思っていました。
 過去のWWF対戦歴はこんな感じです。

 <2005年>
 水位:0.53m チーム:シャレコウベ(会長)
 美並カヌークラブ(1位):35分26秒
 シャレコウベ(2位):35分57秒
 (RJ1 1位 デスデラゴ:34分39秒)

 <2006年>
 水位:0.33m チーム:デブデック(アズマックス)
 テイケイ・スーパー(1位):48分16秒
 美並カヌークラブ(2位):50分07秒
 デブデック(3位):50分29秒

 <2007年>
 水位:0.82m チーム:わんことUNKO(UNKO-MAN)
 わんことUNKO(1位):41分35秒
 美並カヌークラブ(2位):41分56秒
 (RJ1 1位 テイケイ:42分37秒)

 上記からは、徐々に差を縮め、去年の大会ではついに20秒差で勝利したことが分かります。通算成績は1勝2敗でまだ負け越しですが、何より勢いがあります。この勢いをもってすれば負けるはずがない、と。

 出艇順は昨日とは逆にワールドカップ>RJ1>RJ2>インフレ(ダッキー)となりました。しかもルール変更で1分間隔で2艇同時スタートです。当初我々は出場チームが11だと思い込んでいて、トリの我々は単体出艇だと思い込んでいました。
 でも実は、出場チームは10で、出艇は美並カヌークラブと一緒でした。一番嫌なスタートです。しょっぱなからH2Hばりに激戦ともなれば、体力の消耗は避けられないからです。

 そこで急ぎ立案した作戦とは、体力の消耗を避けるために相手に先行させ、自分のペースを維持するというものでした。ただペース維持に固執するあまり、先行されすぎてもまずいので、許容範囲は30mと設定。私はどちらかといえば駆け引きが得意でなく、先行逃げ切りを好むので、接戦になることを想定したこの現実路線の案は主に会長によるものです。

 さんざん悪態をついてプレッシャーをかけてきたコニーとトミーが発った1分後、いよいよ運命のスタートです。
 スタートは少し緩めに出ましたが互角。横並びです。やがて接触して小競り合いが始まりました。シナリオでは、ここでいったん退くはずでしたが、先に退いたのは美並カヌークラブでした。おかげで図らずも先行することになりましたが、この時点では相手もまったく同じ作戦を立てているとは気がつきませんでした。

 少しペースを上げて引き離しにかかりましたが、影のようにぴったりくっつかれ、まったく離れません。ものすごいプレッシャーです。気付いたときには時すでに遅く、ペースは大きく乱れ、体力の消耗が著しい。円空の瀬からふれあい広場までの瀞場の時点で、こちらが早くもガス欠気味なのに対し、向こうのパドリングは余裕しゃくしゃくです。
 これは、相手が一枚上手かな…。早くも敗北を予感し、心が折れそうになっています。

 ふれあいからセタラズまでは再び長い瀞場。我々のボートは明らかに失速しています。相手はまだ仕掛けようとしてきません。
 このあたりではコニーとトミーを含め、先行のダッキーチームを何艇か一気にごぼう抜きしており、最高に気持ちのいいシーンのはずだったんですが、ただひたすら背中にのしかかる重圧から逃れようと必死でした。

 セタラズが見えてきました。ここではある秘策を準備しており、形勢逆転を狙う千載一遇のチャンスです。
 メリットは二点。一つは一気に差を広げ、相手に精神的ダメージを与える。もう一つは相手を混乱させ、あわよくばスタックさせる。
 ただ、シミュレート上での策であり、実践経験はありません。よって成功率は五分と見ていました。この秘策は両刃の剣で、失敗すれば我々がダメージを負います。リスキーですが、このままでもジリ貧で近いうちに抜かれるでしょう。決行を決意し、セタラズに突っ込みました。

 しかし、無常にも結果は失敗。気分は、1200万パワースクリュードライバーを外したウォーズマンのそれでした。岩場に座礁してしまい、ボートからいったん下りざるをえなくなりました。その間、美並カヌークラブについに抜かれ、さらには一度抜いたスプラッシュキッズにも抜き返されてしまいました。

 再び体勢を整え直したときには、美並とはすでに50mくらい差がついていました。ぶっつけ本番だったので、失敗は覚悟していたとはいえ、かなり痛い。この差を一気に詰めるのは、今残されたスタミナでは難しい。しかし前向きに考えれば、相手がコースミスすればまだ追いつける距離です。諦めるにはまだ早い。

 しかし、あろうことか先にミスをしたのはこちらでした。どっかんの瀬で痛恨のコースアウトです。メインのストッパーウェーブを避けようとするあまり、左に寄せすぎてメインカレントから外れてしまったのです。ありえない凡ミスです。コースから外れていることをアタマでは早くから認識していただけに、反応が遅れたのが悔しい。
 差はさらに開き、もはや完全に射程圏外となってしまいました。

 次のバンブーの瀬からザンゲの瀬までは長い瀞場。スタックをいざなうようなややこしい瀬はなく、純粋な体力勝負となります。
 さすがに相手も疲れているに違いありません。ここで何とか差を縮めたかったんですが、願いは虚しく、むしろ広がっているように感じます。

 敗色濃厚となったところでザンゲの瀬に突入。ここも今日の水位では浅瀬の多いスタック地帯です。オーソドックスは右岸から左岸に寄せていく左岸ルートで、美並チームも左岸ルートを取りましたが、我々は右岸ルートを選択。ここもぶっつけ本番ですが、こちらのほうが水深があって下りやすいという川猿コニーの言葉を信じての選択でした。
 今度は成功です。しかし効果は小さく、大勢に影響なし。

 この先、ゴールまでは断続的に浅瀬が続いています。ここもスタック多発地帯。可能性は僅かですが、相手のミス次第で逆転できるチャンスが巡ってくるかもしれません。
 ここは二年前にアズマックスと漕いだとき、UNKO-MANチームとぶつかってスタックした苦い思い出があるだけに、昨日のうちにとくに念入りに下見しておきましたので航下ルートはばっちりです。
 そして祈り(呪い?)は天に通じたか、美並チームは本当にスタック。フネから下りたので動きが完全にストップしました。
 待ちに待ったチャンスです。一気に差を埋めんとパドルを握りしめ、残された力を振り絞って漕ぐ。

 しかし抵抗はここまででした。射程圏内に入るか入らないかというところで美並チームは体勢を立て直して再スタート。二艇の距離は変わらないまま美並チームはゴールラインを通過。

 二年前の北山川ラフティング大会で美並カヌークラブへの勝利から始まったシャレコウベの連勝記録は、ついに途絶えました。会長に至っては、一昨年のWWF以来の敗戦(瀞場王で出場)で、二年ぶりに味わう挫折感に打ちのめされています。

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 一番勝ちたいと思うということは、裏返せば負けると一番傷つくということ。戦略的に強化すべきはスラロームと先述しましたが、最もプライドがかかっていたのはこのダウンリバーでした。スプリントとスラで1位だったので総合優勝とはなりますが、目標だった三大会全優勝も、画竜点睛を欠く、です。気持ちは完全に敗者のそれです。

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 ずーんと落ち込む我々の泣きっ面に蜂が刺すように、両岸を渡す鮎おどしのロープに引っかかり、沈。初秋の冷たい水の中を身一つで流され、会長に至ってはパドルを手放し、無我夢中でパドルのシャフトと思って私の足首を掴んでました。

 14時半から表彰式。まずは、ダウンリバー結果の発表です。 

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 そして引き続き、総合順位の発表。

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 1位が我々シャレコウベ、2位が美並カヌークラブ、3位がコニーとトミーでした。

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 コニーとトミーは、スラローム4位でしたが、判定が正しく行われていれば僅差で2位だったらしいです。まあいずれにせよ大健闘です。とくにコニーは慣れないダッキーで本当によくがんばったと思います。天竜川WWFでは不調でしたが、この一戦で自信がついたでしょうし、何よりこのメンバーで誰よりも楽しめていたと思います。相方のtomoさんが乗せるの上手かったというのもあるんでしょうけど。

 今回の敗因ですが、まずルートミスを二回もしでかしたことが挙げられます。とくに一回目は致命的でした。私の完全なコントロールミスです。
 そして次に、駆け引きに敗れたこと。美並チームに序盤から煽られ続け、大きくペースを乱されました。ここでの体力消耗と気の焦りがルートミスを誘発したといってもよいでしょう。

 では、美並チームとの同時出艇ではなくソロで、自分のペースを維持したパドリングができ、かつルートミスを犯さなければ、果たして勝つことができたのか?
 答えは、否、と思います。互いにノーミスであれば、それでも負けていたかなと認識しています。基礎体力の面でまだまだ開きがありました。ここに差があったからこそ、煽られたわけですから。敗因としては、このスタミナ面が最も大きかったと思います。
 結局のところ、完敗でした。

 今年の目標だった三大会優勝は達成できましたが、内容的にはまだまだでしたね。そして改めて感じたことですが、レースは強敵がいてこそ楽しい。
 初日のコニーチームとのガチンコ勝負、そして今日の美並チームとの激戦は、順位やタイムへのこだわりを超越した、何物にも代え難い貴重な体験でした。

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 表彰式ではアースシップの社長とひさびさに話す機会がありました。今回、日本初のワールドカップ開催ということで、例年の準備に加え、それぞれ慣習の異なる海外チームへの対応が入り、大会スタッフの苦労は並大抵ではなかったようです。本当にありがとうございました。

 そして最後に。漕いでるときは以心伝心で、何も言わなくても欲しいところにパドルが入り、手が四本あるのではとさえ感じさせる会長。会長のおかげでここまで戦え、こんなに楽しませてもらうことができました。一年間、ありがとうございました。

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ニックネーム ラナ父 at 21:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 東海>長良川 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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