2008年02月23日

09 春一番に吹雪かれて(安倍川1◆68)

水位:0.54m(横山) 気温:14℃(静岡) 天気:曇り時々晴れ・雨・雪
区間:関の沢橋〜藤代橋(約3.6km) 所要時間:約1.5h メンバー:後輩1号(回送)


 先日「模倣犯」(一)〜(四)を読み終え、宮部みゆきの全文庫本を読破しました。現在、40冊以上が押入れの中に無造作に積み重ねられています。
 なぜって、本棚には、カヌー関連書籍や手塚治虫のマンガ、野田知佑や筒井康隆の文庫本ですでにいっぱいなのですが、嫁は本は読み終えたそばから売れ捨てろというポリシー(超がつく整理魔なのです)でして、本棚の拡張を許してもらえないのです。

 購入した書籍は、新品古本問わず本棚に揃えるのが好きでした。マンガは無論ですが、浪人生時代は参考書、院生時代は参考文献や辞書もずらりと並んでました。自信喪失状態のとき、眺め返すたびに自分はこれだけ読んだ(=これだけ勉強した)ことを目に見える形に置くことで、奮い立たせたかったのも確かにありましたが、今思えば単に「集める・揃える(コンプリート)」のが好きだったから、というのが大きかったように思えます。そういえば昔から、べったん(メンコ)、キンけし、牛乳のフタ、ビックリマンなど集めるの好きでしたから。

 カヌーで100本の川を下りたいという思いも、探求心や好奇心からというよりは、この収集癖がモチベーションの源として強いのではないかと思ったりします。

 今週末は当初、「あひるブラザーズ」のtakeさんとアッパー桂川を漕ごうと計画していたのですが、takeさんがお仕事のため断念。ラナのことを考えると独りでアッパーはちょっときつい。
 すると、例の収集癖がもぞもぞと働いて、新しい川を漕いでみたいなと思うわけです。
 そして、嫁も体調が良いので遠出してもいいよとのたまうわけです。
 じゃあ、この前大井川漕いだ帰りにちら見した安倍川水系に行ってみようとなるわけです。

 この安倍川は、山梨・静岡県境の大谷嶺(標高1,997m)を水源とし、中流域で中河内川、下流域で藁科川などを合わせ駿河湾に注ぐ、流路延長51km,流域面積567km²の一級河川です。なお源流部の大谷嶺の斜面は「大谷崩」(おおやくずれ)と呼ばれ、稗田山崩(長野県),立山鳶山崩(富山県)と並んで「日本三大崩れ」の一つに挙げられています。

 なぜ安倍川かというと、まず去年の一級河川水質ランキングで堂々の一位に輝いているということ。
 ■参考:「平成18年全国一級河川の水質現況の公表」

 そして、『ウィキペディア(Wikipedia)』によると、「一級河川としては本流・支流にひとつもダムが無い珍しい川」とあること。

 思わずアタマに浮かんだのは、北アルプス上高地を流れる梓川。

 かような日本を代表する名川が、ウチから150kmくらいのところにあると知った日には、そら行っとかなというわけです。

 初めのうちは枚方から岐阜に行くくらいの感覚だったのですが、こっちの渋滞を甘く見すぎていました。途中休憩や中河内川など支流の下見も含めてですが、現地までなんと5時間もかかってしまい、いくらなんでも遠すぎるわ!とこってり油を絞られました。

 しかも、出迎えてくれたのは巨大な砂防ダム。

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 あれっ、ダムのない川やなかったの?
 しかもこの一基だけではなく、テトラで固めたものも含めると結構な数になります
 砂防ダムは貯水しないので一般のダムと異なるからなのか、それとも高さが15m以下で堰堤扱いとなるからなのか。なぜダムがないと謳われているのかは分かりません。

 その効果の有無はともかく、砂防ダムがあると、一般的にその手前一定区間の河床勾配が大きく緩められ、土砂で埋められてしまいます。かつてそこにあったかもしれない、複雑に絡み合う早瀬や瀞場が失われてしまったかもしれません。
 そして、危ない。貯水目的ではないのでバックウォーターが皆無です。途中でストップできないのは想像するだに恐怖です。そして構造物には階段も魚道さえも取り付くところが何もありません。もし落ちたりしようもんなら2万%無事では済まないでしょう。

 げんなりです。
 ダムのない清流というイメージが膨らみ、期待が大きかっただけに、落胆も大でした。

 ダウンリバーコースですが、必然的にインとアウトは各堰堤間に限定せざるをえません。インは関の沢橋のテトラ堰堤(床止)下に設定。アウトは、めいっぱい取ると大河内砂防ダム手前になりますが、ダム手前の瀬戸橋一帯に工事車両が入っており、先日の大井川みたく河道が運河状になっなっていて、あまり入りたくなかったので瀬戸橋より上流としました(結果的には藤代橋で上陸)。

 ◆安倍川 川地図(関の沢〜大河内砂防ダム)


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ニックネーム ラナ父 at 20:20| Comment(6) | TrackBack(0) | 東海>安倍川 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月17日

08 ドライスーツデビュー&アッパー桂川つづき(桂川2)

水位:1.13m(桂川強瀬) 気温:5℃(大月) 天気:快晴
区間:大月橋〜高月橋(約2.1km) 所要時間:約0.5h メンバー:後輩1号(回送)


 フルドライスーツをついに購入しました。
 思えばロングジョンのウェットスーツ姿に始まり、セミドライトップ、ドライパンツと徐々にレベルアップを重ね、ここ2年間はパドジャケとドライパンツの組み合わせという若干のレベルダウンを経つつも、カヌーと出会って13年目にしてようやく邂逅を果たしました。

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 出会うのがちょっと、遅すぎますよね。
 今まで縁がなかった理由は単純に、なんか贅沢やなあと思っていたからです。セミドライの上下で充分やないかと。

 しかし、セミドライの組み合わせより「圧倒的」に優れていると思うようになったのが買うに至った理由の一つ。
 「あひるブラザーズ」のみなさんが普段着の上からフルドライスーツを纏う姿を見て、

 @いちいちパドリングウェアに着替える必要がなく楽チン
  (※とくに冬場はダウンリバー前後の着替え時が相当寒い!)
 A肌触りの良い綿製品の快適性、保温性をフルに享受できる
  (※とくに靴下を履いたまま着用できるので足元が冷えない)

 というメリットを具体的にイメージできるようになると、徐々に物欲が高まってきたわけです。

 また、かつて7〜8万ほどしていた価格が随分と下落して、比較的手に届きやすくなったのも理由の一つです。

 希望する要件は以下の通りでした。

 ◆性能
 ・ソックスタイプ(ガスケットタイプだと靴下が履けないので)…must
 ・ジッパー位置が前部(後部だと独りでは非常に締めづらい)…better
 ・小用ファスナー付(ないとロングツーリング時に面倒)…better
 ◆価格
 ・できれば4万円以下…better
 ◆時期
 ・2月中には欲しい…must

 上記要件に近いのは、Palm(カタログは高階救命器具より参照できます)のスティキーンキャニオンか、サイドワインダークラシックになります。前者は小用ファスナー付ですが、ジッパーが後部で、価格が高い(定価¥83,490)。後者は小用ファスナーなしですが、ジッパーが前部で、価格も安い(定価¥41,790)。小用ファスナーがなくてもジッパーが前部なら脱ぎやすかろうと思い、後者を選ぼうと思ったのですが、カヌーショップに問い合わせてみると、残念ながら今シーズンは在庫がないとの回答でしたもうやだ〜(悲しい顔)

 結局、購入したのはPalmのエレメントドライスーツになりました。
 これ、実は女性用でして、もちろん小用ファスナーはありませんし、ジッパーも後部です。生地も型落ち(XP150)で現バージョン(XP200)と比べて若干性能が劣りますが、サイズがXLなら男性でも問題なく着用できるのと、なにぶん価格が安かった(定価¥62,790→売価¥35,000)のです。
 問題は独りでどうやってジッパー着脱するかですが、まあこれはファスナーループを別途作ってみてクリアしたいと思います。
 ちなみに、なんでわざわざジッパーを不便な背中につけとんねんという話ですが、takeさん曰く、フルドライを着用するような時期に独りで漕ぐなという思いが込められているんですって。

 さて、そのフルドライスーツのデビュー戦は桂川。コースは、先々週漕いだアッパー部のつづき(大月橋〜高月橋)です。
 大月橋のすぐ下流で支流の笹子川を加え、水量が増加するので下りやすくなるかな、という期待を抱いて漕ぎ始めましたが、なかなかどうして、瀬ではまだまだ浅い箇所が多く、スタックしまくりです。

 比較的大きめの瀬は二箇所ありました。
 一つめは浅利橋下の瀬。入り口が浅い。

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 二つめはテイクアウトの高月の瀬です。ここはウォータースライダー状にするすると快適に下れました。

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 楽しかったので担ぎ上げて再度下りました。思った以上にスピードが出ます。



 フルドライスーツの調子は悪くないですね。約30分という短い時間でしたのでまだまだ評価はできませんが、川に入っても足元は全然冷えてこないですし、暖かいどころかむしろ暑かったくらいです。これから独りでジッパーを着脱できる方法と、身体の動きを損なわず保温性の高いウェアについて検討して、徐々にですがさらに快適な環境を作っていきたいと思います。


ニックネーム ラナ父 at 20:19| Comment(5) | TrackBack(0) | 甲信越>桂川(相模川) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月11日

07 三分の二(大井川1◆67)

水位:0.89m(川根大橋) 気温:11℃(川根本町) 天気:快晴
区間:奥泉〜小山橋(約5.7km) 所要時間:約1.5h メンバー:ソロ


 母と嫁と有馬温泉に一泊する予定で三連休初日は大阪へ。ラナがいるのでクルマでの帰阪ですが、愛知に入って降雪が始まり、岐阜では吹雪。関ヶ原手前から詰まり始め、ずっとノロノロの牛歩運転でしたが、八日市あたりで動かなくなってしまいました。クルマの屋根にはどんどん雪が積もり、ときどきシャーベット状になったカタマリがフロントガラスの上を滑り落ちています。

 関ヶ原から3時間半ほどかかり、ようやく瀬田まで抜けたときにはすでに16時半。実家に最寄りの京滋バイパスは通行止め。名神の掲示板には京都南まで120分と赤色で表示されています。さすがにうんざりして、瀬田から下道を走ることにしました。
 チェーンを履き、天ヶ瀬ダムの山道を抜け、枚方の実家にラナを預け、国1→近畿道→中国道西宮北ICのルートで有馬温泉に到着したときには20時近くになっていました。出発は朝8時でしたから、実に12時間運転してたことになります。どおりで腰が痛い。

 ちなみに憤懣やるかたない道すがら思ったんですが、ETCで渋滞割引って作れないですかね? 走行中、区間内に3キロ以上の渋滞が発生した場合2割引になるとかあったら少しは救われたんですが。

 そんな経験をしたものですから、帰りは渋滞回避手段として夜中に出発しました。物音さえ凍りつくような夜のしじまの中を走り、枚方の実家の最寄ICから復活した京滋バイパスに乗って瀬田へ抜けるまで、ものの30分程度でした。一昨日の瀬田〜枚方の下道ルートが2時間でしたから、空いていてさえくれれば高速とはこの上なく便利ですね。

 あまり眠気が取れていなかったので、道程ではこまめに仮眠を取るようにしました。岐阜は養老SAで1時間眠り、愛知は新城PAでも1時間眠り、そして次はどこで休憩しようかなと考えているうちに、気が付くと川のほとりに佇んでいました。

 寝ぼけて、休憩場所 →癒しの場所 →川と変換されていたみたいです。

 川の名前は大井川でした。
 大井川は、南アルプス間ノ岳(あいのだけ:3189m)を水源とし、寸又川、笠間川、家山川などの支川を加え、静岡県内を南流して駿河湾に注ぐ幹川流路延長168km,流域面積1280km²の一級河川です。

 大井川といえば、近世では防衛上の理由で架橋や渡し舟が禁止されており、「箱根八里は馬でも越すが、越すに越されぬ大井川」という箱根馬子唄が象徴するように東海道屈指の難所だったというのを確か中学校の授業で習ったような記憶があります。

 そのためずっと水量豊富な川というイメージを持っていましたが、新幹線で渡るときに眺める大井川は、「別段徒歩でも問題なく渡れそうやん」という印象でして、そのギャップをこの目でじっくり確かめたいというのも訪れた理由の一つです。

 地図を見て上流部に接阻峡、そしてほぼ等距離に、支流の寸又川に寸又峡という地名を発見し、行ってみることにしました。
 結果的には、両方ともハズレ。絶景ではありましたが、どちらも期待に反して水量が全然ありませんでした。接阻峡の大部分は長島ダムのため水没しており、さらに上流部には奥泉ダム、井川ダム、畑薙第一・第二ダム、田代ダムがあり、下れそうな区間がないか確かめてみたいという思いに囚われましたが、この接阻峡に至った時点ですでに周囲は雪化粧が施されており、諦めました。

 結論として接阻峡以下のこの川は、車道からざっと見る限りでは半死にの川という印象です。濁っていようとまだ水が流れているだけマシですが、かつての豊富な水量を想起させる広大な川原に比べてその中を流れる細々とした流れはあまりにも貧弱で、なんだか物悲しい気持ちになります。規模的には、長良川くらいの水量があってもよさそうなんですが…。

 さて、かような事由から、ある程度水量が確保されていてダウンリバーが可能な区間は長島ダムの直下にある大井川ダムより下流ということになります。

 そこで最終的にプットインは奥泉、テイクアウトは小山橋に設定しました。行きしな、上流を目指して走っていると、八木トンネルを抜けると突然流れが逆行する姿に狐につままれたような気になったのですが、地図を見ないと理解できないくらい複雑に蛇行した区間です。この大蛇行区間は回送距離が1.5km程度なのに比して漕行距離はなんと約5.7kmもあります。
 ※地形学的には「穿入蛇行」というらしい(国土地理院のホームページ参照)。

 ◆大井川(奥泉〜小山橋) 川地図


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 ラナが一緒なので大井川鐵道が使えませんし(わんこも電車乗れたらいいんですがね)、チャリも持参してこなかったんで、回送手段は徒歩になりますが、ここだとめちゃめちゃ楽なので、このおトク感いっぱいのコースに決定しました。

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ニックネーム ラナ父 at 22:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 東海>大井川 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月02日

06 アッパー桂川を漕ぎ歩く(桂川1)★

水位:1.13m(桂川強瀬) 気温:6℃(大月) 天気:薄曇り
区間:川茂橋〜大月橋(約6.1km) 所要時間:約4.5h メンバー:TAKEさん、Sさん(回送)

 念願の桂川アッパーコースに行ってきました。

 桂川のロワーコースは昨年12月に下ってます。設定ルール上、同一河川のため「初めて下る川」として100分の1にカウントできないのですが、クリーク色が強く、同じ川といっても川相がかなり異なるため、事実上新しい川を下ることと変わりありません。よって今週は四六時中、期待と不安の入り混じったあのドキドキ感で胸がいっぱいでした。

 さてこの桂川アッパーコース、ロワーと同様カヌー関連書籍にはその名を見つけることができませんでしたが、最近知名度が上がり、各地のエキスパートレベルのカヤッカーが増水時に漕いではるようで、ネット上では比較的目にすることができます。誰が命名したんだか、核心部には「サムライ」とか「ハラキリ」とかいう名前までついているようです。

 ただ、瀬の位置関係が記載された川地図レベルの情報までは見つからず、またこの時期の渇水流量でも漕げるかどうかという情報もなし。むろん、ダッキーで下ったという情報もありません(これはいつものことですが)。

 ということで、半ば探検(調査)的な要素を含みながら、あえてフルコースで漕ぐことにあいなりました。メンバーはロワーを初めて漕いだときと同じtakeさん。どうも寒さに弱いらしい愛犬JETは本日はSさんと共にテイクアウト予定地点の高月にてお留守番。ISOさんも同行の予定でしたが先週の御嶽で風邪を召されて本日はお休み。ラナをどうするかは若干迷いましたが、核心部はポテさせるつもりで連れて行くことにしました。

 二人と一匹、ダッキー二艇の編成で、いよいよ出発です。

 ◆桂川アッパーコース川地図


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 ※瀬の位置関係には多少ズレがある可能性があります。

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ニックネーム ラナ父 at 01:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 甲信越>桂川(相模川) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする